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豚肉は中まで火を通すのに、生ハムはなぜそのまま食べられるのでしょうか。買ってきたパックに「非加熱食肉製品」と書かれていて、少し気になったことがあるかもしれません。
生ハムは、塩漬けや乾燥などの工程を経て、そのまま食べられるように作られた食肉加工品です。原料や製造中の温度、製品の状態などを管理するための基準があり、普通の豚肉とは扱いが異なります。[1][3]
そのまま食べられる生ハムも、購入後は商品の表示に合った保存が必要です。生ハムが食べられる仕組みと、寄生虫・食中毒への対策を知っておくと、商品を選ぶときや開封後の扱いにも役立ちます。
生ハムと普通の豚肉は、製造方法と食べ方が違う
精肉売り場の豚肉は、加熱して食べることを前提に販売されています。豚肉や内臓には、E型肝炎ウイルスや食中毒菌、寄生虫による感染のリスクがあるため、中心まで十分に火を通します。新鮮かどうかだけでは、生で食べられるかを判断できません。[2]
一方、生ハムには、塩漬けした肉をくん煙したり、乾燥させたりする工程があります。「非加熱食肉製品」という表示は、製造時に規定の加熱殺菌をしていない食肉製品の区分を示すものです。「食べる前に必ず加熱する」という意味ではありません。[1][3]
| 食品 | 食べるまでの違い |
|---|---|
| 普通の豚肉 (加熱用) | 家庭や店で、中心まで十分に加熱して食べる |
| 市販の生ハム | 製造段階で塩漬け・乾燥などの加工と管理を行い、そのまま食べる食品として販売される |
塩漬け・乾燥と温度管理で、菌が増えにくい状態にする
生ハムの保存性を支えるものの一つが、塩と乾燥です。食品の中には微生物が利用できる水があり、その状態を表す指標を「水分活性」といいます。塩漬けや乾燥で水分活性を下げると、微生物が増えにくくなります。[4]
ただし、塩を使えばそれで十分というわけではありません。非加熱食肉製品の規格基準には、原料肉の状態、塩漬けの方法、工程中の温度、乾燥やくん煙、製品の微生物に関する条件などが定められています。原料の受け入れから加工、保存まで、複数の段階で衛生状態を管理しています。[3]
製法に合わせて、塩分や水分の状態を調整する
原料の状態や工程中の温度、器具の衛生などを管理する
製品についても、微生物などの規格に適合させる
生ハムにはさまざまな製法があり、すべての商品に同じ塩分濃度や熟成日数を当てはめることはできません。また、菌の増殖を抑えることと、すべての病原体を死滅させることは違います。製造時の管理に加えて、製品に合った保存も必要になります。[3][4]
生ハムの寄生虫や食中毒は、どう考えればよい?
寄生虫への効果は、実際の処理条件による
豚肉に関係する寄生虫には、旋毛虫やトキソプラズマなどがあります。生ハムの加工による効果も研究されており、2020年の査読付き論文では、条件を管理して塩漬け・熟成したハムから、感染力のあるトキソプラズマが検出されなくなったと報告されています。[2][5]
一方、2024年の査読付き論文では、スペインで販売されていた乾燥・熟成したハムや肩肉製品の一部から、感染力のあるトキソプラズマが確認されました。これは日本の市販品全体を調べた結果ではありませんが、「塩漬けしている」「長く熟成している」という説明だけで、寄生虫対策の効果を一律に判断することはできないと分かります。[6]
保存で気をつけたいリステリア
生ハムなど、そのまま食べる食品で注意したい菌の一つがリステリアです。低温や塩分に強く、冷蔵中でも増えることがあります。厚生労働省は、生ハムを原因食品の例に挙げ、保存方法や期限を守り、開封後は速やかに食べるよう案内しています。[7]
手作りの生ハムは、塩分や日数だけで判断しない
家庭で豚肉を塩漬けし、乾燥させるレシピも見かけます。ただ、市販の生ハムは、見た目や味だけで完成を決めている食品ではありません。原料、温度、塩漬け・乾燥の条件、製品の状態を管理して作られています。[3]
家庭では、塩が肉の中心までどの程度入ったか、微生物が利用できる水がどれくらい残っているかを、見た目だけで確かめることは難しいものです。ネット上の塩の量や日数をなぞっても、市販品と同じ管理ができたことにはなりません。
普通の豚肉を数日塩漬けしただけのものは、中心まで加熱して食べます。自宅で生ハムの食感を楽しむなら、そのまま食べられる市販品を選べます。[2][3]
開封後の生ハムは、賞味期限にかかわらず早めに
生ハムの保存方法は、乾燥の程度や包装などによって異なります。パック入りのスライスを買ったら、商品の表示を確認し、要冷蔵であれば指定された温度で保存します。保存食品という印象だけで、室温に置いたままにしないようにしましょう。
袋に書かれた賞味期限・消費期限は、未開封で、表示どおりに保存した場合の期限です。開封した後まで、同じ日付を目安にできるわけではありません。消費者庁も、開封後は期限にかかわらず早めに食べきるよう説明しています。[9]
期限は、指定の方法で保存した場合のもの
袋の期限とは分けて考え、メーカーの開封後の案内に従う
要冷蔵のパック入り生ハムを想定しています。開封後の日持ちは商品や扱い方によって変わるため、一律の日数では示せません。[7][9]
取り分けには清潔な箸やトングを使い、残りは冷蔵庫へ戻します。サラダなどに添えるときも、生の肉の汁や使いかけの器具が触れないようにし、食べる分だけ盛り付けると扱いやすくなります。[10]
生ハムを取り寄せるなら、使い切れる量も見ておきたい
サラダやパンに少し添えたり、夕食のおつまみにしたり。スライスされた生ハムは、切り分ける道具を用意せずに楽しめます。製造方法と保存の案内を確かめたうえで、1袋の量や注文単位を比べると、自分の食べ方に合う商品を選べます。
平田牧場「日本の米育ち三元豚 極み生ハム(55g)」
一度に使う量が少ないなら、55g入りを1袋から購入できる、平田牧場の「極み生ハム」も選択肢になります。スライス済みで、そのまま食べられる商品です。大きなパックを開けて何日も残すより、食べる予定に合わせて袋数を決めやすくなります。[11][12]
メーカーは、三元豚のモモ肉を熟成し、だしで味を調えていると説明しています。商品画像のラベルにも塩漬けの説明があり、原材料には昆布だしや椎茸だしなどが記載されています。[11]
| 商品情報 | 公式販売ページの内容 |
|---|---|
| 内容量・注文単位 | 55g、1袋から購入可能 |
| 配送・保存 | 冷蔵便。到着後はすぐ冷蔵庫へ入れる |
| 賞味期限 | 到着後18日保証。開封後の日持ちを示すものではない |
ここで紹介しているのは冷蔵便の商品です。具体的な保存温度や期限は届いた包装で確認し、開封後は早めに食べきります。冷凍便の別商品もあるので、注文時には配送区分を確認してください。
価格や送料、お届け日は公式販売ページで確認できます。
生ハムについて、よくある質問
Q1「非加熱食肉製品」と書かれた生ハムは、そのまま食べて大丈夫ですか?
そのまま食べる食品として販売されている生ハムは、食べる前の加熱を前提とした商品ではありません。「非加熱食肉製品」は製造時の区分です。商品の表示どおりに保存し、開封後は期限にかかわらず早めに食べきります。妊娠中など、特に注意が必要な方は本文の案内も確認してください。[1][3][7][8]
Q2家で冷凍すれば、寄生虫や食中毒の対策になりますか?
冷凍は保存に役立ちますが、すべての菌や寄生虫を一律に除く方法ではありません。凍らせても生き残る菌があり、解凍後には増えることがあります。家庭での冷凍を、製造時の管理や必要な加熱の代わりにはできません。商品の保存目的で冷凍したい場合は、メーカーの案内に従います。[2][10]
参考資料・出典
確認日:2026年9月12日。食品の安全性に関する説明には、国の機関の資料と査読付き論文を使用しています。メーカー資料は、対象商品の製造方法・仕様・取扱方法の確認に使用しています。
- 厚生労働省腸管出血性大腸菌Q&A:Q25 生ハム等は大丈夫ですか?
- 厚生労働省お肉はよく焼いて食べよう:豚のお肉や内臓も十分加熱して食べましょう
- 厚生労働省法令データベース食品、添加物等の規格基準:食肉製品・非加熱食肉製品
- 内閣府 食品安全委員会用語集(生物系分野):水分活性・静菌
- Fredericks et al./Journal of Food Protection(査読付き論文、2020年)Inactivation of Toxoplasma gondii Bradyzoites after Salt Exposure during Preparation of Dry-Cured Hams
- Gracia et al./Food Control(査読付き論文、2024年)Toxoplasma gondii in Spanish commercial dry-cured meat products
- 厚生労働省リステリアによる食中毒
- 内閣府 食品安全委員会お母さんになるあなたと周りの人たちへ:妊娠の前から気をつけたい食べ物のこと
- 消費者庁家庭での食品ロスを減らそう:食品の期限表示
- 厚生労働省家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
- 平田牧場(メーカーの商品情報)日本の米育ち三元豚 極み生ハム55g・冷蔵便
- 平田牧場(メーカーの商品情報)ギフトセット内の極み生ハム55g:お召し上がり方法
冒頭の画像は記事用のイメージです。紹介商品の写真ではありません。
